家庭用からビジネス用途まで幅広く使われているインクジェットプリンター。選ぶ際に画質やコストはもちろん重要ですが、「印刷の速さ」も見逃せないポイントです。特に資料やレポートを大量に印刷するシーンでは、1分でも速く仕上がるプリンターが重宝されます。

このコラムでは、2025年時点で発売されている主要メーカー(Canon・エプソン・ブラザー・HP)の中から、印刷スピードに優れたインクジェットプリンターを徹底比較。公式スペックに基づき、「最速モデル」や「メーカー別のベスト3」など、実用性を重視した選び方のヒントも紹介します。

「できるだけ早く印刷を終わらせたい」「スピード重視で機種を選びたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

印刷速度の見方|「ipm」って何?モノクロとカラーで違う?

プリンターのカタログや公式スペックに記載されている「印刷速度」。
その基準となるのが「ipm」という単位です。
しかし、実際にはモノクロとカラーで数値が異なるうえ、「ドラフトモード」「ISO準拠モード」など測定条件も複雑です。
この章では、印刷スピードを見るうえで最低限知っておきたい基礎知識を解説します。

ipmとは?|1分間の印刷枚数を表す単位

ipmとはのイメージ画像
ipmとはimages per minuteの略で、1分間に何ページ印刷できるかを示す単位です。
たとえば「モノクロ 24ipm」と記載があれば、1分間に24枚の白黒文書を出力できるという意味になります。
これはインクジェット・レーザーを問わず共通して使われている指標です。
ただし、ipmはA4片面・標準的なテキスト文書を前提に測定されているため、写真印刷や両面印刷では大きく速度が異なる点には注意しましょう。

モノクロとカラーでは数値に差が出る理由

モノクロとカラーの差のイメージ画像

一般的にモノクロ印刷の方がカラーよりもスピードが速い傾向にあります。これは、カラー印刷ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)といった複数のインクを同時に正確に重ねて出力する必要があるため、1ページあたりの処理が増えるからです。

また、インクの乾燥時間や紙送りの制御もカラーの方が繊細な処理を求められるため、実際の印刷動作もわずかに遅くなります。そのため、モノクロ24ipm・カラー15ipmといったように、同一機種でも印刷速度に差が出ることが多く見られます。

ドラフトモード/ISO準拠モードの違いにも注意

印刷速度には「ドラフトモード(高速印刷モード)」と「ISO準拠モード(標準印刷モード)」の2種類があります。

  • ドラフトモードはインク量を減らし、解像度を落とす代わりに速度を優先した設定です。

  • ISO準拠モードは国際標準規格(ISO/IEC 24734)に沿った、実用品質を前提とした速度測定です。

公式スペックで「約30ipm(ドラフト時)」などと記載されている場合、実際の使用時とは異なる印象を受けることがあります。比較検討する際は「ISO準拠モード」での数値を確認するのが基本です。

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印刷スピード最速ランキング【2025年最新版】

印刷のスピードは、オフィスや業務効率に直結する重要なポイント。
ここでは、2025年現在で最速を誇るインクジェットプリンターを総合ランキングとメーカー別ランキングの2軸でご紹介します。

総合ランキング TOP5(2025年版)

2025年時点でのインクジェットプリンター最速モデルは、すべてBrother(ブラザー)製となりました。

※ スマホでは横にスクロールしてご覧ください。

順位型番モノクロカラー
1位MFC-J7500CDW約30ipm約30ipm
1位HL-J7010CDW約30ipm約30ipm
1位MFC-J7700CDW約30ipm約30ipm
1位MFC-J7600CDW約30ipm約30ipm
1位MFC-J5800CDW約30ipm約30ipm

※ 全機種が同速のため、同率1位として掲載しています。
※ 印刷速度はISO/IEC 24734、24735に基づく数値です。
※ 測定方法・測定データなどの詳細条件について ⇒メーカー公式ページ

メーカー別ランキング

Canon(キヤノン)編

キヤノンでは、MAXIFYシリーズおよびGIGA TANKシリーズで安定した高速印刷性能を実現しています

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順位型番モノクロカラー
1位GX7130約24.0ipm約15.5ipm
1位GX6530約24.0ipm約15.5ipm
1位GX5530約24.0ipm約15.5ipm
1位GX5130約24.0ipm約15.5ipm
1位MB5430約24.0ipm約15.5ipm
1位MB5130約24.0ipm約15.5ipm
1位MB2730約24.0ipm約15.5ipm
1位iB4130約24.0ipm約15.5ipm

※ 同速度のため同率1位表記。
※ キャノンの測定環境下における参考値であり、あくまでも目安となる数値です。
※ 測定環境について ⇒ メーカー公式ページ


EPSON(エプソン)編

エプソンの高速モデルは、ビジネス向けインクジェットプリンター中心。

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順位型番モノクロカラー
1位PX-M887F約25ipm約25ipm
1位PX-M6712FT約25ipm約25ipm
3位PX-M7120F約25ipm約24ipm

※ 印刷スピード測定条件 ⇒ (メーカー公式ページ)


Brother(ブラザー)編

ブラザーは業務用ラインアップにおいて非常に高速なモデルを展開しています。

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順位型番モノクロカラー
1位MFC-J7500CDW約30ipm約30ipm
1位HL-J7010CDW約30ipm約30ipm
1位MFC-J7700CDW約30ipm約30ipm
1位MFC-J7600CDW約30ipm約30ipm
1位MFC-J5800CDW約30ipm約30ipm

※ ブラザーは総合1位と同じモデルが並んでいます。
※ 全機種が同速のため、同率1位として掲載しています。
※ 印刷速度はISO/IEC 24734、24735に基づく数値です。
※ 測定方法・測定データなどの詳細条件について ⇒ メーカー公式ページ


HP(エイチピー)編

HPはOfficeJet Proシリーズで、カラー印刷も高速なモデルを複数展開しています。

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順位型番モノクロカラー
1位
HP OfficeJet Pro 9130b
約25枚/分約19枚/分
2位
HP OfficeJet Pro 9120
約22枚/分約18枚/分
2位
HP OfficeJet Pro 9730
約22枚/分約18枚/分
2位
HP OfficeJet Pro 9110b
約22枚/分約18枚/分

※ HPは公式表記が”枚/分”のため、そのまま記載
※ 最初のページ印刷後、またはISOの測定用ページの最初のセット印刷後
※ 詳細は ⇒Learn About How HP Measures Print Speed(英語サイト)

印刷が速い=優秀?用途に合った選び方も重要

印刷速度は確かにプリンター選びの大きな指標ですが、「速さ=万能」とは限りません。用途によっては、速度よりも静音性や印刷品質、対応用紙の幅広さなどが重視されるケースもあります。ここでは、利用シーン別に適した選び方のポイントをご紹介します。

家庭用なら静音性や写真印刷品質も要チェック

家庭用なら静音性もチェックのイメージ画像

家庭での利用では、「静音性」と「写真印刷の仕上がり」が重要になります。とくに夜間の使用や、子どもがいる環境では動作音が小さいプリンターの方がストレスなく使えます。
また、年賀状や写真プリントに対応した高画質なインクジェットモデルも人気です。印刷スピードがやや遅くても、色再現性や画質を優先した選び方が向いているケースも多いでしょう。

業務用途なら耐久性・用紙対応力も加味しよう

業務用途なら耐久性もチェックのイメージ画像

オフィスや事業用途で使う場合は、1日に何十枚、何百枚と印刷することもあります。こうした環境では、印刷速度に加え「耐久性」や「用紙対応力」も重視すべきです。
大量印刷に耐えられる構造、A3対応や両面印刷、給紙トレイの容量なども見逃せません。カタログや伝票、ラベルなどを印刷するなら、特殊用紙への対応力も確認しておくと安心です。

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まとめ|スピード重視なら最新インクジェットが狙い目

スピード重視なら最新インクジェットのイメージ画像

最新のインクジェットプリンターは、モノクロ・カラー問わず20〜30ipmの高速印刷に対応するモデルが増えており、業務用としても十分なパフォーマンスを発揮します。

中でも、ブラザーやエプソンの上位モデルはレーザープリンターに迫るスピードを実現しており、日々の業務効率を高めたい方にぴったりです。

印刷速度はあくまで“選び方のひとつの基準”ですが、この記事で紹介したランキングや比較表を活用すれば、自分のニーズに合ったプリンターがきっと見つかるはずです。

用途に応じた機能(静音性・画質・対応用紙など)も考慮しつつ、後悔しない1台を選びましょう!

使わないトナー・インクが余ったら買取もおすすめ

トナーバイのイメージ画像

プリンターを買い替えたり、機種が故障して使えなくなった場合に、「未使用のトナーやインクが余ってしまった…」というケースは少なくありません。そうした純正の未使用品は、廃棄してしまうのはもったいないものです。

当店では、メーカー純正・未開封のトナーカートリッジやインクカートリッジを高価買取しています。レーザープリンター用のトナーはもちろん、業務用インクジェット用の純正インクにも対応しております(一部除外あり)。

リサイクルトナーや開封済品、中古品は買取対象外となりますが、「これ売れるかな?」と迷ったら、まずは無料査定をご利用ください。

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