「トナーカートリッジの成分は本当に安全なの?」
レーザープリンターを使う際、トナーに含まれる成分が人体や環境にどのような影響を与えるのか気になる方も多いのではないでしょうか。実際に、トナーにはカーボンブラックや樹脂、添加剤などの化学成分が含まれており、吸い込むことで健康リスクがあるのか、環境負荷がどれくらいあるのかが議論されています。
本記事では、トナーカートリッジの主成分や安全性、有害物質の有無、環境への影響を徹底解説します。また、主要メーカー(キャノン・リコー・富士フイルム)の公式データ(SDS情報)も紹介し、安全なトナーの選び方についても詳しく説明します。
「トナーを吸い込んでしまったけど大丈夫?」「トナーカートリッジの環境負荷ってどれくらい?」など、気になる疑問を解決する内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
1. トナーカートリッジの基本成分とは?
1-1. トナーの主成分
トナーカートリッジに含まれるトナーは、主に以下の材料で構成されています。

樹脂
トナーの主成分である樹脂は、加熱されて溶け、顔料とともに紙に定着します。ワックスや帯電制御剤も含まれ、印刷の鮮明さや耐久性を向上させます。純正トナーは高品質な樹脂を使用し、均一な溶解性で安定した印刷を実現。

顔料
顔料はトナーの色の基となる成分で、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色を使用。耐光性・耐熱性に優れ、印刷物の色あせを防ぎます。微粒子化することで樹脂と均一に混ざり、滑らかな発色と高精細な印刷を実現。

ワックス
ワックスはトナーが紙に密着し、プリンター内部の付着を防ぐ役割を持ちます。ヒーターの熱で適度に溶け、トナーの定着をサポート。ワックスの均一な分布により、こすれに強く、耐摩耗性の高い印刷が可能に。

帯電制御剤
帯電制御剤はトナーの静電気特性を調整し、プリンターの転写精度を向上させます。キャリアと摩擦し、適切な帯電を保持することで、ムラのない鮮明な印刷を実現。バランスが崩れると印刷不良が発生する。

添加剤
添加剤はトナー粒子の表面をコーティングし、粒子の凝集を防ぐ。シリカや酸化チタンが湿気による固まりを抑え、トナーの流動性を維持。きなこのような働きで、均一な分散を確保し、高温多湿でも安定した印刷品質を提供する。
2. トナーの成分は有害なのか?
2-1. トナーの健康リスク

通常の使用環境では、トナーの成分が人体に影響を与えることはほぼありません。しかし、トナーの粉塵を大量に吸い込んだ場合、呼吸器への影響が懸念される成分も含まれています。
- カーボンブラック(黒トナー):IARC(国際がん研究機関)によると、カーボンブラックは「発がん性の可能性(グループ2B)」に分類されています。ただし、トナーの形態では樹脂に封じ込められており、通常の使用では健康リスクは低いとされています。
- ナノ粒子:米国環境保護庁(EPA)によると、ナノ粒子を長期間・高濃度で吸入すると呼吸器への影響が指摘されています。ただし、レーザープリンター使用時のトナー排出量は極めて低く、通常のオフィス環境では問題にならないレベルです。
- 帯電制御剤(酸化チタン・酸化亜鉛):米国労働安全衛生局(OSHA)では、酸化チタンの粉塵を高濃度で吸入すると健康リスクがあると報告していますが、トナーの形状ではリスクは極めて低いとされています。
2-2. エビデンスと安全基準

各メーカーはSDS(安全データシート)を公開し、成分の安全性を明示。
IARC、EPA、OSHAなどの公的機関がトナー成分のリスクについて調査を実施。通常の使用環境では安全とされているが、大量に吸い込むと影響が出る可能性がある。
3.環境配慮型トナーとは
近年、環境負荷を低減するトナーの開発が進んでおり、資源の再利用や低エネルギー消費を実現する製品が増えています。これにより、従来のトナー使用による環境負担を大幅に軽減できる可能性があります。
バイオマストナー

バイオマストナーは、植物由来の成分を含む環境配慮型トナーです。従来のトナーは石油由来の樹脂を主成分としていますが、バイオマストナーはその一部を植物由来の樹脂に置き換えることで、化石資源の使用量を削減し、CO₂排出量を抑えることができます。この技術により、印刷業界の環境負荷を抑えつつ、従来と変わらない品質を維持することが可能になっています。
低温定着トナー

低温定着トナーは、従来よりも低い温度で紙に定着できるトナーです。プリンターや複合機では、トナーを紙に定着させるために加熱が必要ですが、この技術によりヒーターの消費電力を抑え、省エネルギー化が実現されます。この技術は、オフィスの省エネ化や環境負荷の低減を実現する革新的なトナー技術として、広く採用が進められています。
リサイクルトナー

リサイクルトナーは、使用済みカートリッジを回収して再利用をすることで、新規のプラスチック製造を抑えることができます。メーカーやリサイクル事業者によっては、回収したカートリッジをクリーニング・再充填し、再販売するシステムを採用しています。
4.法規制と安全基準

4-1. トナーに関する主な法規制
トナーの成分は、環境や人体への影響を考慮し、各国で厳格な法規制のもと管理されています。これらの規制は、有害物質の含有量制限や排出管理、安全な化学物質の使用を促進する目的で設けられています。
特に、欧州連合(EU)、米国、日本などでは、電気・電子機器や化学物質に関する法規制が適用されており、トナーカートリッジの成分管理もこれらの基準に適合する必要があります。
以下に、トナー成分に関する主要な法規制を紹介します。
- RoHS指令(EU):鉛・水銀・カドミウムなどの有害物質を制限し、電気・電子機器の環境負荷を軽減(RoHS指令(EU公式))
- REACH規則(EU):特定の化学物質(高懸念物質SVHC)の使用を制限し、安全な管理を義務付け(REACH規則(EU公式))
- TSCA(米国):米国で有害化学物質の製造・使用・輸入を管理し、安全性を評価(TSCA(EPA公式))
- PRTR法(日本):環境中への有害化学物質の排出管理を義務付け、事業者に報告を求める(PRTRとは(環境省))
これらの規制に適合することで、人体への健康リスクを抑え、安全かつ環境に配慮したトナーカートリッジの開発が進められています。メーカー各社は、規制基準を満たした製品を提供し、持続可能な印刷環境の実現に取り組んでいます。
5.まとめ:トナーカートリッジの成分は適切に使えば安全!

✅ トナーの主成分は樹脂・顔料・添加剤で構成されており、一般的な使用では問題ない。
✅ カーボンブラックやナノ粒子の吸引には注意が必要だが、通常の環境での使用ではリスクは低い。
✅ 環境負荷を減らすためには、バイオマストナーやリサイクルトナーの活用が重要。
✅ 各国の法規制(RoHS、REACH、PRTR法)をクリアしたトナーを選ぶことで、安全性が確保される。
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