プリンターや複合機の購入を考えるとき、「スペック表って何を見ればいいの?」と悩んだことはありませんか?
dpi、印刷方式、ipm、CISセンサー……など、聞き慣れない専門用語に戸惑う方も多いはずです。
この記事では、主要メーカー(キヤノン・エプソン・ブラザーなど)の製品スペックでよく見かける用語をやさしく解説。
「印刷品質」や「スピード」に直結するポイントを中心に、あなたに合った1台を見つけるための知識をお届けします。
🖨️ プリンターのスペック表、どこを見る?まず注目したいポイント
プリンターを選ぶ際、多くの人が価格やメーカーを基準にしますが、スペック表に記載された項目を正しく理解することが、本当に納得できる1台を選ぶ近道です。
「最高解像度」「印刷方式」「インクの種類」「プリントスピード」など、普段あまり意識しない用語にも、性能の違いを見抜くためのヒントが詰まっています。
特に、最近のインクジェットプリンターは、高解像度・高速印刷・コンパクト設計などが進化し、それぞれのモデルに適した用途が明確になっています。
この項目では、メーカーの公式サイトや取扱説明書に載っているスペック表を読み解くうえで、最初に注目すべき基本用語とその意味をわかりやすく解説します。
🧩 プリント方式とは?

「印刷方式」や「プリント方式」とは、インクを紙に噴射する仕組みの違いを表す項目です。プリンターの印刷品質・スピード・静音性・インクの種類との相性などに大きく関わるため、非常に重要なスペックのひとつです。
主な印刷方式をご紹介します。
🔹 サーマル方式(熱方式)
サーマル方式(熱方式)とは、インクに熱を加えて気泡を生じさせ、その膨張圧でインクを紙面に押し出す仕組みです。
構造が比較的単純であるため、製造コストを抑えやすいという利点があり、家庭向けインクジェットプリンターで広く使われています。
ただし、繰り返しの加熱によるノズルの消耗や、インク自体の熱への耐性といった点が、長期使用における懸念材料となる場合もあります。
🔹 ピエゾ方式(圧電方式)
ピエゾ方式は、電圧をかけてプリントヘッド内部の圧電素子(ピエゾ素子)を微細に振動させ、その力でインクを紙に吐出する仕組みです。
加熱を伴わないため、インクの性質を損なわずに安定した出力が可能で、発色や粒状感の少ない美しい印刷を実現できます。
そのため、写真品質を重視するユーザーや、繊細な出力が求められる業務用途でも高く評価されており、プロフェッショナル向けのプリンターにも多く採用されています。
印刷方式を理解することで、そのプリンターが何に強く、どのような使い方に適しているかが見えてきます。
💧 インクの種類(染料と顔料)の違い

スペック表に「インクの種類:染料/顔料」と書かれているのを見て、何が違うのか疑問に思ったことはありませんか?
インクのタイプは発色・耐水性・印刷用途・保存性などに関係するため、非常に重要です。
🌈 染料インクとは?
染料インクは、水に溶けやすい性質を持ち、紙にしみ込むように浸透して発色します。
色の鮮やかさやグラデーション表現に優れており、写真やカラーグラフィック印刷に最適です。
ただし、水濡れや光に弱く、長期保存には不向きな場合があるため、文書保存や業務用途には注意が必要です。
🖋 顔料インクとは?
顔料インクは、インクの粒子が紙の表面に定着する性質を持ち、水に強く滲みにくいのが特徴。
文字や細い線をくっきりと印刷できるため、ビジネス文書・資料印刷・長期保存に適しています。
ビジネス向けモデルでは、黒は顔料、カラーは染料と使い分けるハイブリッドタイプがあります。
🖋️ プリントヘッドのノズル数が多いと何が変わる?

プリントヘッドのノズル数とは、インクを吐き出す微細な穴の数のことです。この数が多ければ多いほど、1回のヘッド移動でより広範囲にインクを均等に吐出できるため、印刷スピードと画質の両方に直結する重要な指標となります。
たとえば、ノズル数が多いモデルでは、細かい文字やグラデーションも滑らかに表現でき、写真印刷のクオリティにも差が出ます。特に解像度が高く、精密な出力が求められるビジネス用途では、ノズル数が多いプリンターを選ぶことが安定した品質維持につながります。
🎯 最小液滴量|印刷の繊細さに影響する重要スペック

「最小液滴量」は、1回で吐出されるインクの最小単位(ピコリットル:pl)を示す数値で、印刷の精細さに大きく関係します。たとえば、1.5plや1.3plなど、数値が小さいほどより微細なインクの粒が使われるため、色の境界線がぼやけず、美しいグラデーション表現が可能になります。
特に写真印刷やカラーチラシなどで自然な色合いや濃淡を求める場合、最小液滴量が小さいモデルを選ぶと、肉眼では見えないレベルの滑らかな表現が得られます。印刷サンプルだけではわからない画質の違いを見抜くために、注目しておきたい隠れた重要スペックです。
📸 最高解像度(dpi)とは?画質との関係性

「dpi(dots per inch)」は、1インチ(約2.54cm)あたりに何個のインクドットを打てるかを示す数値で、プリンターの画質を数値で判断するための基本的な指標です。一般的に、dpiが高いほどより高精細な印刷が可能になります。
たとえば、「4800×1200dpi」や「600×1200dpi」などの表記がありますが、縦×横それぞれの解像度を表しており、両方の数値が高いほどきめ細かい仕上がりが期待できます。
ただし、dpiが高ければ必ず高画質というわけではなく、最小液滴量やノズルの精度といった他のスペックとのバランスも重要です。用途に合わせて、必要十分なdpiを見極めることが大切です。
🧩 プリンターの使い勝手を左右するスペック用語
プリンターを選ぶ際、「画質」や「価格」だけに注目しがちですが、日々の操作性や効率に大きく関わる「使い勝手のスペック」も見逃せません。
たとえば、「印刷速度(ipm)」「必要マージン」「スキャナーのセンサータイプ」などは、作業のスピード感や出力物の品質に直結します。
ここでは、使いやすさに関わる代表的なスペック用語について、それぞれの意味とチェックポイントをわかりやすく解説します。
🕒 印刷速度(ipm)の見方と注意点

「ipm(images per minute)」は、1分間に印刷できるページ数を示す単位です。たとえば、「20ipm」と表記されていれば、1分間に20ページの印刷が可能という意味になります。
ただし注意したいのが、モノクロとカラーで数値が大きく異なる点と、印刷モード(ISO準拠モードやドラフトモード)によって実際のスピードに差が出ることです。カタログ上の数字だけではなく、印刷する内容や使う用紙によって体感速度が変わることを念頭に置きましょう。
ビジネス用途などでスピードを重視する場合は、ISOモードのipm数値を基準に比較するのがおすすめです。
📄 印刷可能範囲と必要マージンとは?

プリンターの「印刷可能範囲」とは、用紙の端まで印刷できるかどうかを示すスペックで、特にフチなし印刷を使いたい人には要チェックのポイントです。
一方「必要マージン」は、プリンターが印刷できない余白のことを指し、一般的には上下左右に数mmの空白が必要です。このマージンが狭いほど、用紙の端までデザインを配置できるため、レイアウトの自由度が高まります。
チラシやPOP、写真プリントなどではフチなし対応機種を選ぶことで、仕上がりがよりプロフェッショナルになります。
🔍 スキャナーのセンサー「CIS」とは?CCDとの違いも紹介

スキャナー部に記載されている「CIS(Contact Image Sensor)」は、薄型軽量で省スペースに適したセンサー方式です。原稿との接地面で直接読み取るため、スキャン速度が速く、省電力という利点があります。
一方で「CCD(Charge Coupled Device)」方式は、立体物や凹凸のある原稿もくっきり読み取れる高精度タイプ。色再現性や立体感のある資料をスキャンしたい用途では、CCDの方が優れています。
一般的な文書スキャンならCISで十分ですが、写真や図面などの高精細なスキャンを求めるなら、CCD搭載機を検討する価値ありです。
🔈 稼働音(dB)はどのくらいが静か?家庭・オフィスでの目安

プリンターの仕様に記載されている「稼働音(動作音)」は、通常「dB(デシベル)」という単位で表され、一般的には40〜60dBの範囲で記載されています。
- 40dB:静かな図書館レベル(比較的静か)
- 50dB:エアコンの室外機レベル(標準的)
- 60dB以上:会話が気になるレベル(ややうるさい)
在宅ワークや深夜の使用を考えるなら、45dB以下が理想です。一方、業務用などオフィス環境では50dB台でも問題ないケースが多いですが、複数人が使用する環境では騒音対策も検討すべきポイントです。
なお、静音性に特化したモデルや「サイレントモード」搭載機もあるため、騒音が気になる方は公式サイトで稼働音の記載を必ずチェックしましょう。
📡 インターフェース|USB、無線LAN、クラウド対応などの違い
プリンターの「インターフェース」は、パソコンやスマートデバイスとの接続方法を示す重要な項目です。
主な種類と特徴は以下のとおりです。
- USB接続:安定性が高く、パソコン1台と直接つなぐなら最も確実。
- 無線LAN(Wi-Fi):複数端末で共有可能。スマホ・タブレットからの印刷にも対応。
- Wi-Fi Direct:無線LANルーター不要で端末と直接接続可能。
- 有線LAN:オフィスのネットワーク内で利用。セキュリティや安定性を重視する場合に最適。
- クラウドプリント対応:GoogleドライブやDropboxなどのクラウドから直接印刷できる機種もあり。
用途や環境に応じて、最適な接続方式を選ぶことが使いやすさに直結します。
とくに家庭・小規模オフィスでは、Wi-Fi対応機種が便利です。
📱 液晶パネル「TFT」って?操作性に関わるチェック項目
「2.7型TFTカラー液晶」といった表記を見かけたことはありませんか?
ここでの「TFT(Thin Film Transistor)」は、視認性が高く反応の良い液晶ディスプレイ方式の一種で、スマートフォンなどにも使われています。
TFT液晶が採用されているプリンターは、以下の点で操作性が高い傾向にあります。
- フルカラーで直感的なメニュー表示
- タッチ操作に対応するモデルが多い
- 日本語表示・アイコンナビゲーションが見やすい
最近では、2.7型・4.3型など、液晶のサイズが大きいほど使いやすさが向上するため、高齢者や機械が苦手な方にもおすすめです。
特に複合機では、スキャン・コピー機能を使う場面が多くなるため、画面操作の快適さは軽視できません。
📝 まとめ|スペックを正しく理解すれば、失敗しないプリンター選びに

プリンターや複合機を選ぶ際、価格やブランドだけで判断してしまうと、思ったより印刷が遅かったり、画質に不満が出たりといった「買ってからの後悔」に繋がることも少なくありません。
今回紹介したような以下の項目は、プリンター選びにおいて特に重要な判断基準になります。
- 印刷方式(ピエゾ式・サーマル式など)
- インクの種類(顔料・染料)
- ノズル数・最小液滴量・解像度(dpi)
- 印刷速度(ipm)
- センサータイプ(CIS・CCD)
- インターフェースや液晶パネルの操作性
こうしたスペック表の見方を知ることで、自分の用途に合った1台が明確に見えてくるようになります。
メーカーによって仕様表の見せ方には違いがありますが、「何を見て判断すべきか」がわかれば、納得のいく製品選びが可能になります。
ぜひこの記事を参考にして、失敗しないプリンター選びを進めてください。
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