オフィスや家庭でプリンターを使う際、トナーカートリッジのコストは意外と高額になりがちです。しかし、正しい使い方や設定を工夫することで、トナーの消費を抑え、最大50%のコスト削減が可能になります。本記事では、実証済みの方法を元に、トナーを長持ちさせる印刷テクニックを紹介します。
目次
- 1.トナー節約のための印刷設定と活用法
- 2.フォントや印刷の設定でトナー消費を削減
- 3.メンテナンスや節約機能でトナーの無駄を減らす
- 4.リサイクルトナーを活用する
- 5.インク節約ソフトを活用する
- トナーカートリッジの節約まとめ
1.トナー節約のための印刷設定と活用法
1-1. ドラフトモード(エコモード)を活用する

ほとんどのレーザープリンターには、「ドラフトモード」または「エコモード」が搭載されています。これを有効にすると、通常よりも少ないトナーで印刷されるため、トナーの消費を20〜30%削減できます。
一方で以下のデメリットがありますので、注意が必要です。
1-1-1. 印刷品質とカラー再現性の低下
✅ かすれ・薄い印刷になる
- トナーの使用量が減るため、印刷が薄くなり、文字がかすれることがある。
- 重要な書類や公式文書には不向き。
✅ 細かい部分や色の再現性が低下
- 画像やグラフのディテールが粗くなり、写真やデザイン印刷には適さない。
- エコモードでは色がくすみ、黒の濃度が下がることで視認性が低くなる。
1-1-2. 用紙との相性が悪い場合がある
✅ 普通紙では問題ないが、特殊紙ではトナー定着が悪くなる
- 厚紙や写真用紙では、トナーの定着が弱くなり、にじみやすくなる可能性がある。
- プレゼン用の高品質な紙を使う際は、通常モードの方が適している。
結論:ドラフトモード・エコモードの適切な使い方
✅ 使うべき場面
✔ メモや社内用の資料など、高品質でなくてもよい文書の印刷
✔ 一時的に使うプリント(ドラフト版・校正用の資料)
✔ トナー節約を最優先にしたい場合
📌 避けるべき場面
❌ プレゼン資料や公式文書(契約書・提案書)
❌ 写真や高品質な画像を印刷する場合
❌ 特殊な用紙(厚紙やラベル紙)を使用する場合
まとめ
「ドラフトモード」や「エコモード」は、トナーカートリッジ節約には有効だが、印刷品質が低下しやすく、全ての用途には向かない。
「普段使い」と「重要な印刷物」でモードを切り替えるのがベストな活用方法!
1-2. グレースケール印刷を活用する

カラープリンターを使用している場合でも、黒インクだけを使う「グレースケール印刷」に設定すると、カラーのトナー消費を大幅に抑えることができます。
ですが、この方法も以下のデメリットがありますので、注意点を確認してみましょう。
1-2-1. グレースケール印刷の視認性低下
✅ 色の情報が正確に伝わらない
- カラー資料の情報が失われ、グラフやチャートの色分けが分かりづらくなる。
- 強調部分(赤字やマーカーなど)が目立たなくなり、重要な情報を見落とす可能性がある。
✅ 細かい部分やコントラストが低下
- グラデーションや細い線が潰れやすく、青や緑などの薄い色は識別しにくい。
- 設定によっては全体的に薄くなり、小さい文字の視認性が悪くなることがある。
1-2-2. 一部のプリンターでは逆にトナーを多く消費することがある
✅ カラーインクを消費する場合がある
- 一部のプリンターでは、グレースケール印刷でも黒トナーではなく、カラーインクを混ぜて黒を作ることがある。
- その結果、節約にならず、逆にコストが増える可能性がある。
✅ 「黒のみ印刷」の設定が必要
- 設定を「黒のみ印刷(Kトナーのみ使用)」にしないと、カラーインクが消費されることがある。
- 使用するプリンターの設定を事前に確認することが重要。
1-2-3.カラー印刷が必要な場面でミスプリントの原因になる
✅ 設定ミスで誤ってグレースケール印刷することがある
- カラーが必要な資料(プレゼン・チラシなど)を間違えてモノクロ印刷し、印刷し直す手間が発生する。
✅ 色分けされた情報が伝わりにくくなる
- 医療・設計・地図・グラフなど、色の違いが重要なデータは、グレースケールだと見づらくなるため、印刷前の確認が必要。
結論:グレースケール印刷の適切な使い方
✅ 使うべき場面
✔ 社内用の文書やドラフト版の印刷(内容が伝わればOKな場合)
✔ モノクロの書類やシンプルなテキスト文書
✔ 不要なカラーインクの消費を抑えたい場合
📌 避けるべき場面
❌ プレゼン資料・チラシ・ポスターなど、色の強調が必要な文書
❌ カラーチャートやグラフを含むビジュアル重視の資料
❌ プリンターがCMYK混合で黒を出す場合(逆にコストが上がる可能性あり)
❌ 写真やデザインデータの印刷(画質が劣化する可能性あり)
まとめ
グレースケール印刷は、トナーカートリッジ節約には有効だが、視認性の低下やカラー印刷の情報損失、プリンターによっては逆にコスト増となるリスクがある。
「黒のみ印刷」の設定を確認しながら、適切な場面で活用することが重要!
2.フォントや印刷の設定でトナー消費を削減
フォントの選び方や印刷設定を少し工夫するだけで、無駄なトナー消費を抑え、コストを大幅に削減できることをご存知でしょうか?特に、ビジネスやオフィスでの大量印刷では、こうした小さな工夫が年間のコストに大きく影響を与えます。この項目では、トナーを節約するための実践的なテクニックとして、「フォント選び」と「印刷設定の最適化」について詳しく解説していきます。
2-1. エコフォントを使用する

エコフォントとは、文字内部に小さな穴や隙間を設けることで、印刷時のインクやトナーの使用量を削減するよう設計されたフォントです。代表的なものに「Ecofont」や「Ryman Eco」などがあります。これらのフォントを使用することで、印刷時のトナー消費を最大で約30%削減できると報告されています。
主なエコフォントの特徴:
- Ecofont: 文字内部に小さな円形の穴を配置し、視認性を保ちながらインク消費を削減します。公式サイトでは、特定の条件下でインク使用量を約28%削減できるとされています。
- Ryman Eco: 細い線で構成されたデザインにより、標準的なフォントと比較してインク使用量を約33%削減できると報告されています。
導入時の注意点:
- 視認性の確認: エコフォントはインク削減を目的としているため、標準的なフォントと比べて視認性が若干低下する可能性があります。重要な書類や公式文書の印刷には適さない場合があるため、用途に応じて使用を検討してください。
- 互換性の確認: エコフォントを使用する際は、プリンターや印刷環境との互換性を事前に確認することが重要です。一部のプリンターでは、特殊なフォントが正しく印刷されない場合があります。
参考情報:
- Ecofont公式サイト : 海外のサイトです。
- Ryman Eco公式サイト: 海外のサイトです。
2-2. 細いフォントを活用する

フォントの選択によっても、トナーの消費量を抑えることが可能です。一般的なフォント(例: Arial、Calibri)よりも、線が細いフォント(例: Century Gothic、Garamond)を使用することで、印刷時のインク使用量を削減できます。
具体的な効果:
- Century Gothic: 線が細く、同じポイントサイズでも印刷面積が小さいため、インク消費量を削減できます。一部の研究では、特定の条件下でインク使用量を約30%削減できると報告されています。
- Garamond: 文字のデザインがコンパクトで、他のフォントと比較して印刷時のインク使用量が少ないとされています。特に、長文の印刷において効果的です。
注意点:
- 視認性: 細いフォントはインク消費を抑える一方で、視認性が低下する可能性があります。特に小さいサイズで印刷する場合は、読みやすさを確認してください。
- フォントサイズ: 同じポイントサイズでも、フォントによって実際の文字の大きさが異なるため、適切なサイズ設定が必要です。視認性とインク節約のバランスを考慮して選択してください。
参考情報:
- 「フォントを変えるだけで4億ドルも節約できるのか?」(Toshi Omagari氏のブログ): tosche.net
これらの方法を組み合わせて活用することで、印刷コストの削減と環境負荷の低減に貢献できます。ただし、視認性や用途に応じて適切なフォントを選択することが重要です。
2-3. 縮小印刷で1ページにまとめる

複数ページの文書を印刷する際に、1ページに2ページ分を縮小して印刷する「2アップ印刷(または2 in 1印刷)」を活用することで、トナーの消費を大幅に削減できます。この方法は、特にプレゼン資料や社内用のメモ、会議用の配布資料など、細かい文字を厳密に読む必要がない印刷物に適しています。
また、トナー節約の観点だけでなく、用紙の使用量も半分に抑えられるため、コスト削減と環境負荷の軽減という二重のメリットがあります。プリンタードライバーの設定画面では、多くの場合、「ページレイアウト」や「集約印刷」オプションから2アップ印刷を選択できます。
設定方法:
- 印刷ダイアログで「1ページに2ページ印刷」オプションを選択
このように、印刷設定を工夫することで、日々の業務で発生する印刷コストを削減しながら、より効率的な文書管理が可能になります。企業やオフィスでは、標準の印刷ルールとして2アップ印刷を推奨することで、プリンターコスト削減につなげることができるでしょう。
3.メンテナンスや節約機能でトナーの無駄を減らす
3-1. 定期的にプリンターをクリーニングする

プリンター内部に蓄積したトナー汚れやホコリは、印刷品質の低下を引き起こすだけでなく、不必要なトナー消費の原因にもなります。特に、レーザープリンターでは、トナーが定着ローラーや感光ドラムに付着すると、不鮮明な印刷やムラが発生し、何度も印刷し直すことで余計なトナーを消費してしまいます。
このような無駄を防ぐためには、メーカーが推奨するクリーニング方法を定期的に実施することが重要です。
定期的なクリーニングを行うことで、ムダな印刷や消費を抑えられるだけでなく、プリンターの寿命を延ばし、安定した印刷品質を維持することが可能になります。
3-2. トナーセーブモードを活用する(メーカー別設定)

各メーカーのプリンターには、トナーの節約機能が搭載されています。
メーカー別トナー節約設定(公式サイトへ飛びます):
- キヤノン: トナー消費量を節約する
- OKI: トナーを節約する
- リコー: トナーやインクを節約して印刷する方法を知りたい。
- ブラザー: トナー節約モードの設定方法
- エプソン: Windows 10環境のトナーセーブ設定方法
- NEC: トナー節約機能
4.リサイクルトナーを活用する

4-1. コスト削減のためのリサイクルトナー活用
リサイクルトナー(再生トナー)は、純正トナーと比較して低価格で提供されており、コスト削減の有効な手段となります。特に、大量に印刷を行うオフィス環境では、トナーコストの大幅な削減が期待できます。
リサイクルトナーのメリット:
- 価格が安い – 純正トナーと比較して30〜50%程度安価で購入可能。
- 環境に優しい – 再利用品のため、廃棄物削減につながる。
- 多くのメーカーに対応 – 幅広い機種向けに製造されている。
4-2. リサイクルトナーの品質と注意点
リサイクルトナーは価格面でのメリットがある一方で、いくつかの品質上の懸念点があります。
リサイクルトナーのデメリット:
- 印刷品質のばらつき – メーカーや品質管理の違いにより、印刷ムラが発生することがある。
- プリンターへの影響 – 一部のプリンターでは、リサイクルトナーの使用によりトナー漏れや部品の劣化が早まる可能性がある。
- 保証の対象外になる場合も – プリンターメーカーの保証が適用されないことがある。
4-3. 信頼できるリサイクルトナーの選び方
品質の良いリサイクルトナーを選ぶことで、純正トナーとほぼ同等の印刷品質を得ることができます。
選び方のポイント:
- 実績のあるリサイクルトナーメーカーを選ぶ(ISO認証などの取得企業が望ましい)
- レビューや評判を確認する(ユーザーの評価が高いものを選択)
- 保証が付いている製品を選ぶ(万が一の不具合に対応できる)
リサイクルトナーの活用は、コスト削減の大きな鍵となりますが、品質を考慮して適切な製品を選ぶことが重要です。
5.インク節約ソフトを活用する
5-1. インク節約ソフトとは?

インク節約ソフトは、プリンターの印刷設定を最適化し、インクやトナーの使用量を削減するためのソフトウェアです。これらのソフトは、印刷時のドット密度を調整し、視認性を損なわずにインクの消費量を減らします。また、不要な画像や余分な部分を自動で省く機能を持つものもあります。
5-2. 代表的なインク節約ソフト

以下のインク節約ソフトは、家庭用からオフィス用途まで幅広く利用されています。
- EcoPrint: 印刷濃度を調整し、最大50%のインク節約が可能。
- GreenCloud Printer: 印刷プレビューを最適化し、不必要なページや余計なグラフィックを省くことでコスト削減。
- PretonSaver: トナーやインクの使用量を制御し、視認性を維持しながら節約。
- FinePrint: ページレイアウトを変更し、1ページに複数の内容を印刷することでインクと紙の節約を実現。
5-3. インク節約ソフトのメリットと注意点

メリット:
- 自動で印刷設定を最適化できる: ソフトが自動で適切な印刷品質を調整し、無駄を省く。
- 視認性を損なわずにインクを節約できる: 文字の濃度を最適化しながらコスト削減が可能。
- 印刷コストを大幅に削減できる: 使用するインクの量を抑えることで、トナーカートリッジの交換頻度を減らせる。
- 環境に優しい: インクやトナーの消費を抑えることで、環境負荷を低減できる。
注意点:
- 一部のソフトは有料版のみ機能が利用可能: 無料版では節約機能が制限されることがある。
- 互換性のあるプリンターが限られる場合がある: すべてのプリンターメーカーや機種に対応しているわけではない。
- 印刷品質に影響を与えることがある: 印刷設定によっては、色の濃度や細かい部分の視認性が低下する可能性がある。
5-4. インク節約ソフトの導入方法

- 公式サイトからソフトをダウンロード: それぞれのソフトウェアの公式サイトから最新バージョンを取得。
- インストールと初期設定: プリンターと連携し、節約設定を有効にする。
- 印刷プレビューを確認: 実際に印刷する前に、節約モードの効果をチェックし、必要に応じて微調整。
5-5. インク節約ソフトを活用することで得られるコスト削減効果

適切にインク節約ソフトを使用することで、通常の印刷に比べて30〜50%のコスト削減が可能になります。特に、オフィスや業務用プリンターでは大量の印刷が必要となるため、長期的に見れば大きなメリットがあります。
インク節約ソフトを活用することで、トナーやインクの消費を抑えつつ、印刷品質を維持することができます。家庭用プリンターから業務用まで対応するさまざまなソフトがあり、それぞれの用途に応じた最適な選択をすることで、ランニングコストを大幅に削減できますので、まずは無料版から試して、効果を確認してみるのも良いでしょう。
トナーカートリッジの節約まとめ

トナーのコストを削減するためには、印刷設定の最適化・フォントの選び方・ページレイアウトの工夫・プリンターのメンテナンス・インク節約ソフトなど様々な方法がありました。これらの方法を組み合わせることで、最大50%のランニングコスト削減が可能になります。
どの方法が最も効果的か?
- 簡単にできる節約術なら ドラフトモード+グレースケール印刷 の併用がおすすめ
- より徹底的にコスト削減したいなら エコフォント+インク節約ソフトの活用 も有効
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